獅子舞イラストを描きました。


和歌山県有田郡有田川町に白岩丹生神社というのがありまして、豊穣を祈願する秋祭りの中に獅子舞奉納というイベントがあるそうです。
神々の使者である、「オニ」と「ワニ」が、暴れる獅子を追い払うという物語を演じるイベントらしいのですが、過疎化が原因か予算の都合か、1988年より長らくその伝統的な祭りが休止されていたのを、若者を中心にした有志があつまり、15年ぶりに復活させたとのことです。
獅子舞奉納を演じる有志を「獅子団」と名乗り、その一人が若者にも地元の祭りに興味をもってもらうため、獅子団のシンボルとしてのイラストと、それを元にしたスタジャンを作ろうとして、僕に話しを持ってきてくれました。こうして伝統的に続いていたけど途絶えた地方の行事というのは多いと思うのですが、若者が集まって復活させようという心意気はとてもすばらしいと思います。郷土愛が深いからなせる業でしょう。

企画立案者である依頼主Mさんの依頼内容も面白かったです。
「2003年からこの行事を復活させたのですが、いつも追い払われてる獅子がかわいそうになってきまして・・・せめてイラストでは凛々しい獅子舞にして、強い「オニ」「ワニ」が武器をほっぽりだして逃げてるような感じにしてください」
なんと、伝統的行事の内容とは逆の立場でのイラスト制作を希望されたのです。
これはこれで面白いな、と思って描いたのが下記のイラストです。ジャンパーに刺繍された場合の想像図も合わせて制作しました。

神社の神事であるから純和風、という枠にはしらばれず、ややアメコミ風な雰囲気も入れてください、という要望もありこういう画になりました。スタジャンに刺繍する元絵という意味合いもありましたので、刺繍機用にいつものPhotoshopで作成されたビットマップ画像ではなく、Illustratorによるベクトル画像での作画となりました。ベクトル画像制作は専門でないため試行錯誤でしたが、今回の依頼が元でいろいろと勉強ができてよかったと思います。

そして先日、依頼主Mさんから一通のメールがありました。
「待望のスタジャンが完成しましたので、画像を送付します。期待通りの出来で大満足です」
おお!思った以上に忠実に再現されていて、たしかにかなりイメージ通りな出来です。それに獅子団のロゴもカッコイイ!

「また居酒屋金屋にでも来られた際には実物を着て駆けつけますね」
と書かれてメールは締めくくられていました。
こうして納品後に喜びの声を聞くのは絵描き冥利に尽きます。
すばらしいな、と思う企画の手助けをイラストで行い、そうして喜んでもらえる。この仕事をやっていてよかったと思えるひと時です。

日ごろ締め切りに追われている慌しい日常の中に、ほっと心温まる出来事でした。

comment

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

榎本よしたか

Author:榎本よしたか
フリーランスのイラストレーター兼法廷画家です。書籍やテレビ番組用に絵を描いています。アコースティックギターと歴史雑学が好きです。

最新コメント
最新記事
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
月別アーカイブ
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター