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【仕事】女子大生歌手刺傷事件の岩埼友宏被告人初公判傍聴記。

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2月20日に行われた小金井女子大生歌手刺傷事件の犯人、岩崎友宏被告人の初公判に行ってきました。東京地裁立川支部に足を運ぶのは初めて。
傍聴人が法廷に入ったときには被告人は既に弁護人側の席に着席していて、報道時から髪型が変化していたもののその特徴的な顔からひと目で被告だとわかりました。

ずらりと並ぶ裁判員の前で人定質問を受ける被告人。報道では柔道経験のある180cmオーバーの大柄な男、という情報でしたが、実際の被告人は線が細く、思ったより大柄でもないと感じました。法廷で語られた情報によると175cmとのこと。

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検察側の冒頭陳述の間、表情を変えずじっと手元の資料を眺める被告人。芸能活動をしていた冨田真由さんを、折りたたみナイフでめった刺しにしたという事件の内容が詳細に語られていきます。聞けば聞くほど被害者には一切非のないおぞましい凶悪な犯罪であったことが伝わってきます。

証拠調べの間、三十数箇所も刺された被害者の身体がどのような損傷を受けたかが「人体図」を使って検察側から述べられました。こうした場合、普通傍聴席からも見える壁のモニターにも映し出されるのですが、今回はそれがなく、裁判官や裁判員がどういう画像を見ているのかが伺えませんでした。

どの血管がどう切断されたのか、どの内臓がどのように損傷をうけたのか、等々詳しく語られる中、突然「ウウーー」という声とともに1人の裁判員の方がガツンと頭を机にぶつけ突っ伏されました。気絶した様子。間もなく椅子からころげ落ち、他の裁判員の方々が駆け寄ります。裁判長は特に驚くでもなく、極めて冷静に「休廷。休廷にします。傍聴人はただちに法廷から退出してくださいーー」と指示され、ぞろぞろと法廷を後にしました。

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仕方なくロビーのソファに座って再開を待っていると、タンカで救急車に運ばれていく裁判員の方の姿が目の前を横切りました。額には尋常ならざる汗。彼は何を見たのか。以前強盗殺人で包丁で刺された被害者の傷口写真を見せられたことが原因でPTSDを発症し、国を訴えた裁判があったのを思い出しました。今回は「人体図」とのことですがはたして…。

裁判員って1人居なくても裁判続行されるものなのだろうか…?と疑問に思いながら再び法廷に入ると、きちんと6人揃ってました。ああ、あの方、回復されたんだ良かった、と思った矢先「えーーさきほど裁判員一名が審理続行不能になったので解任し、補充裁判員を選任しました」と裁判長。そうだ補充裁判員という制度がありました。なので裁判員裁判には開廷のたびに合計12人の裁判員の方が携わっているのですね。それにしても選任されたのがさきほど倒れた方と同じような年代の同じ性別の方で体格も似ていたため一瞬短い時間で回復されたのかと誤解してしまいました。

その後しばらくして、検察側から被害者冨田さんの供述調書が朗読されました。心をえぐられる内容。事件以来、人生が完全に変わってしまったこと、今も唇の神経が正常に機能せず、食事をするのもままならないなど、現在どのような後遺症に苦しんでいるか、そして危機を周囲に訴えながら警察にも相談し出来る限りの対策を練って行動していたことなどが切々と語られました。

それでもダメだった。一命はとりとめたものの取り返しのつかない事態に陥ってしまった。彼女はどうすればよかったのか?どうすれば自分自身を守ることができたのか。そんなことをぐるぐる考えながら被告人の方を見ると、なんと彼は笑っていました。時々ぶつぶつ口を動かしながら笑っていたのです。

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僕自身も以前ストーカー被害を受けたことがあります。殺害予告を受け警察に相談したときに言われたのが「どんな挑発を受けても絶対に反応しないこと。どんな反応もストーカーにとっては全てがご褒美になるんだから」という忠告でした。つまり岩崎被告人は今、被害者からの言葉を受けて、喜んでいる…?

僕の場合、ネットに誹謗中傷を書かれる程度で一応は済んだのですが、このレベルの人間に目を付けられた時、はたしてどう行動しどう自衛すればいいのでしょうか?
答えは出ません。被害者の救助活動をしている消防隊員に彼は「オレもケガしてるから診てよ」と話しかけたといいます。反省とは程遠い言葉。

凶器
犯行に使われた折りたたみナイフは証拠品として提示されていたのですが、ガラスの容器に入れられた血まみれのそれは刃渡り10cmはあり、柄もしっかり握れる大きさでした。あんなもので刺されたら、僕なら一突きで死ぬ自信があります。34箇所も刺されて、刺されながらも命だけは奪われまいと両手で心臓を保護していたという被害者、そして二週間も戦い、意識を取り戻した被害者は本当にすごいの一言です・・・。

弁護人が主張する「突発的な犯行で計画性がない」が通った時、彼の罪は何年になるのだろうか。娑婆に出た後の彼の行動、冨田さんの身の安全は誰が保証するのか。この残忍でおぞましい事件の判決が気がかりです。


※追記:2月28日、17年の求刑に対し14年6ヶ月の判決が下る瞬間に立ち会いました。裁判長曰くは、本件が初犯であること、一応は反省の弁を述べていることなどが考慮され酌量に至ったとのこと。想像以上に軽い判決を聞き、この日はかなり落ち込んでしまいました。事件と自分との間には意識的にある程度心理的距離を置くようにしているのですが、今回は僕自身の経験ともカブってしまい冷静になれませんでした。釈放された時、この男はまだ43歳程でしょう。

今は被害者冨田さんの生活の安寧を心から祈りたいです。

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榎本よしたか

Author:榎本よしたか
フリーランスのイラストレーター兼法廷画家です。書籍やテレビ番組用に絵を描いています。アコースティックギターと歴史雑学が好きです。

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